浮気ものに次いでドロドロの昼ドラ感が味わえるのが三角関係です。プレイヤーとしてもメインヒロインのどちらを選ぶかで大いに悩まされる事でしょう(ネット上の人気キャラはいい勝負をしています)

彼女と、彼女の親友、両方と関係を結んでしまうハーレムのような状態は天国のような感じもしますが、デメリットの方が多いのも想像が出来ると思います、特にその関係がバレてしまった時には。

WHITE ALBUM2の世界

では初めにこの世界観についてご紹介させて頂きます。三角関係という事と、主人公が誠実であろうと頑張る事以外は普通の学園ものからスタートします。

最後の学生生活、最後の学園祭、最後に一花咲かせてやろうぜ、という懐かしい青春を感じられる日常から主人公とメインヒロインの出会い、片方のヒロインと付き合い出し、もう片方のヒロインに惹かれ、三角関係が始まります。

すべての始まりは学園祭まで数ヶ月といった時期。主人公は軽音楽同好会に入ってはいるものの魔性の女を入会させたせいで他の男子生徒達が仲違いし今やメンバーは主人公と親友のみ、これでは何も出来ないと悩んでいた主人公の元に届く綺麗な歌声、慌ててその主を探すとミスコン連続2年優勝の学園のアイドルの姿が。

そして主人公のへたくそなギターとヒロインの歌声に合わせているかのように響く美しいピアノの音に惹かれて今や使われていない音楽室を覗くと、ほとんど学校に来ない不登校児で、クールな「ピアノのサラブレッド」と呼ばれる主人公と同じクラスの同級生がいた。

そんな性格も何もかもバラバラな3人が集まり、最後の学園祭でライブをやろうとなった時から、歪んだ運命の輪が回り始めてしまうのです。

WHITE ALBUMシリーズについて

この作品はシリーズ物となっていまして、前作も三角関係をテーマに泣きゲーとして評判を呼び、こちらもアニメ化がされました。

このシリーズの特徴は三角関係と、歌です。前作の場合は新人アイドルと幼い時から芸能界入りしている人気のアイドルとの間に起こるものでしたから、当然歌はかなり入っていたそうです(1作目を私はプレイしていません)

今作にも前作の歌が出てきますし、単語としてのみ前作のキャラクターの名前が出てきますが、前作をまったく知らなくても問題はありません、今度は芸能界ではなく一般の世界なのですから(片方のヒロインはピアノ界で活躍する天才ですが)

今作ももちろん歌がとてもいいです。前作の歌を歌ってくれますけど、今作のオリジナル曲もかなりいい歌なので、話がそれてしまいますが、そこも楽しみの一つとして覚えていて下さい。

誰にでも誠実であろうとする主人公

さて、三角関係や浮気だと主人公の性格がチャラかったり、不真面目だったり、お調子者だったりするのですが、この作品の主人公はまったく違います、誠実な人です。

誠実で真面目ないい人なのですが、逆にそれが厄介なのです。誰かに誠実であろうとすればいいのですが、この主人公の場合は誰にでも誠実であろうとしてしまうのです、それはいい事じゃないか?そう思われるかもしれませんが、誰にでも、なんて無理です。

誰かに誠実であれば、他の誰かにとっては不誠実になってしまう。よく意味が分からないという方は実際にプレイしてみて下さい、彼が誰かに優しくしてしまうと、そのしわ寄せが他の誰かに押し寄せてしまうのです、やれば分かります。

また、この主人公は某浮気ものエ□ゲー主人公に次ぐ不人気主人公だと思います。そちらの方はチャラくてお調子者で腰抜けなので男性プレイヤーからも相当嫌われていますが、この主人公はその正反対のキャラクターなのにこちらはこちらで相当嫌われています、主人公なのにプレイヤーから不人気というのは面白いですね(笑)

三部構成の物語

ところでこの作品、なんと三部構成になっていまして、発売当初は時期を少しずらしてバラバラに発売されていました(今は全部一緒のパックで発売されています、ご安心を)

すべての始まりの高校生編、その後の大学生編、そして完結の社会人編という構成になっていまして、主人公とヒロイン達の状況はそれぞれでかなり違います、まるで連ドラでも見ているような感覚ですね。

高校生編

メインヒロイン2人との出会い、三角関係の始まりが高校生編です。アニメ化された部分もここのみとなっていまして、ここだけでもかなりのドロドロ感を味わえますし、何とか2人を幸せにしたい主人公と、お互いの関係を知っているヒロイン達の葛藤が描かれています。

特に浮気の事実を知った付き合っている方のヒロインの心情(ここだけいきなり重苦しくなるので温度差に驚きました)と、彼氏彼女として自分の目の前で楽しそうにしている2人を見る浮気相手の方のヒロインの心情(苦しみながらも懸命に二人を応援している様が切ないです)が重たいですね。

一方の主人公も、彼女を大切にしたけど、もう1人の方も気になる、ここでもう彼は両方を好きでいるので、けれど彼女を裏切る事は出来ない、でももう片方を放ってはおけないという何とも女々しく優柔不断な描写が濃くされています。

大学生編

いきなり何が何だか分からないはじまり方をします。この章では浮気相手だったヒロインは登場しませんが、代わりにサブヒロインが一気に増えますので、ここでも彼の優柔不断さと弱さが浮き彫りになります。

しかもどのヒロインも心にいろいろと抱えていて、一筋縄ではいきませんし、どのキャラクターを攻略しても彼女であるメインヒロインの存在は出てきます、彼女が壊れていく様をきっちりと。

とあるルートでは胸が抉られるほどの壮絶なイジメ描写も出てきますし、個人的にはそのルートが一番プレイしていて苦しかったですね、イジメの描写も、それによって壊れていくヒロインも遣り切れないのですが、何よりもこのルートで出てきたメインヒロインの行動が怖かったです(あれわざとやっているならかなりあざといです)

どのルートにいっても大体メインヒロインとサブヒロインを泣かせる事になるのですが、これもすべて(妥協するならほとんど)主人公の「誰にでも誠実であろうとする」気持ちと、優柔不断さと弱さのせいです。

社会人編

そして最後に社会人編。こちらではサブヒロインは少し登場するだけで、メインヒロイン2人による一騎打ちになります。

そしてエンディングは4つ用意されているのですが、トゥルーエンド以外は鬱です。特に当初浮気相手だったヒロインを選んだ場合のエンディングはもう製作者側は一切の容赦はしてくれません。

簡単に言えば、すべてを捨てて新しい土地で2人だけの生活を、心のどこかで怯えながら始めた二人の下に届くもう1人のヒロインからのビデオメッセージが、なんというか、何も言えませんね、あまりにも恐ろしく悲惨なものでした。

このヒロインは過去のあったとある事情故にいつまでも3人で、という関係にこだわります。その執着っぷりは狂気を孕みすぎて「女って怖いな……」と普通に思えるくらいで、たぶんこれが理由でこっちのヒロインが嫌いだと言っている人が多いのでしょう、傍から見れば物凄く自分勝手です。

誠実、友情、愛情とはなんなのか

では最後に、この作品を鬱ゲーに入れたのは、昼ドラ真っ青のドロドロ感と、壊れてでもしがみついてくる恐ろしいヒロインの遣り切れない心情と、主にとあるルートでの可哀相すぎるヒロインの姿が心を抉られるトラウマゲームとして評価をよくされているからです。

大学生編以降は主人公も弱り切っていて見ているこっちが鬱になりそうでしたし、各ヒロイン達の涙も切なくてたまりませんでした。

誠実であろうとすればするほど誰かを傷付けてしまう。誠実なのはいい事だとは重々思いますが、何事も適度が大事、彼の場合は「誰にでも」と「やりすぎ」が原因なのでしょうね。

自分に出来る範囲で、本当に大切にしたいと思っている人に対して、誠実でいましょう。という事をこの作品から学んでみてはいかがでしょうか?