幼い子供達の純粋な行動や言動ほど怖いものはないと思います。彼らはある程度社会やルール、道徳心や思いやりを知っている大人達とは違い、純粋無垢で恐ろしい事を笑顔で楽しそうにやらかしてきます。

今回ご紹介させて頂きます「RULE of Rose」もそんな無邪気な子供達が作り上げた、子供達だけの「お遊び」の世界が、プレイヤーをジワジワと追い詰めてきます。

※注意※この作品は解釈が大きく割れますので、必ずしも私の解釈が正しいとは言えません。

子供達の「社交界」

19歳の少女がバスの中で真っ白な服を着た少年に出会い、「絵本を読んでよ」と何も書かれていない絵本を渡され、バスを降りていった少年を追いかけるところから物語は始まります。

最初から伏線がかなり張り巡らせているのですが、とりあえず向かった先には少女にとって何故か懐かしいと感じる大きな館があり、彷徨っているといつの間にか飛行船の中にいて、そこでは子供達が作り上げた「赤いクレヨンの貴族」と呼ばれる階級制度で支配されていました。

この階級制度では、主人公は1番下の「さみしいびりっけつ」になっていまして、ことごとく他の子供達からバカにされます。

それでこの社交界では、毎月1つ何かを貢がなければならない制度になっているようで、貢がないと「制裁」を加えられてしまう(貢物は綺麗な蝶々から始まりますが、段々エスカレートしていきます

子供達はこの社交界のルールをしっかりと守っているので、下層階級の「さみしいびりっけつ」の主人公は奴隷のようなもので、誰もまともに相手してくれません。

不憫で不幸で汚らわしい少女

最初のオープニングの時にも主人公の事を「不幸な少女」と言われ、「不憫な少女」とも言われ、出会う子供達からは「汚らわしい」「お前なんて食べられてしまえ」「ほんとアイツってむかつくよね」などとひたすら悪口を言われ続けます。

子供達から一斉に水をかけられ、棺桶に突き落とされ、柱に縛り付けられ、命令され、高笑いを浴びせさせられ、と本当に不憫で不幸で憐れな少女です。

どうして彼女がここまでイジメられ続けるのか。彼女も泣いたり怯えたりするだけでほとんど無抵抗なので、正直気分が悪くなります。

そんな彼女に唯一優しくしてくれるのが、彼女が助けたワンコと珍しくまともな事を言ってくれる少女だけで、とりあえずプレイヤーはこのワンコに癒されながら無邪気な子供達の楽しそうな嫌がらせに耐えて下さい。

薔薇のお姫様とクマの王子様

この世界の階級制度では、一番上が「薔薇のお姫様」と「クマの王子様」らしいです。「クマの王子様」は少女をこの世界に連れてきた白いシャツを着た少年っぽいのですが、「薔薇のお姫様」がなかなか出てきません

「クマの王子様」もアナウンスをして主人公に命令してきたり、チラチラ誘導するように姿を現したりはしますが、それ以外は他の子供達よりも謎が多くよく分からないまま進みます。

話を進めていくと、どうやらこの二人は子供達の世界でも、この物語においてもかなり重要なポジションである事は分かりますが、主人公は記憶を一部失っているらしく(たまに何かを懐かしいと感じる時があります)、なかなかどういう事か分かりませんので、頭に入れつつ先に進めましょう。

エンディングまで辿り着いた時に明かされる真実

このゲームはサイコアクションというジャンルに入っていまして、雰囲気はサイレントヒルやデメントに似ていて、館(孤児院)や飛行船の中、出て来る敵は独特なタッチで描かれています。

そして主人公は記憶を取り戻しつつ、貢物を探しながら難解なマップをウロウロして一体何が起こったのか、何があったのかを探りに行きます。

伏線の量がかなりあるので、1周クリアしただけではスッキリしないかもしれませんが、エンディングまで辿り着いてみて下さい、どんでん返しが待っています。

そして明かされる真実と主人公が選んだ道は、賛否両論でしょうね。私は彼女の選んだ道は、結局彼女がされた事と同じだと思いました。

ネタバレにならない程度に言いますと、愛とは、愛する事とはテレビや普通のアニメ・ゲームなどで言っているような綺麗ごとではなく、自分本位でけれど愛しているからこそ愛するものを、大切なものを傷付けてしまうのだという事です。

愛しているから大切にしたい、けれど愛しているから傷付けてしまう、そんなジレンマを主人公は感じていたのでしょうか。

追記 愛犬家注意

このゲームの鬱要素は、最後の主人公の覚悟と、そこまでいくまでの無邪気な子供達からの執拗な嫌がらせや、子供達(特にとある少女)が陥っていた悩み、そして純粋無垢な子供達が行ってしまった残酷な行為です。

彼女たちは純粋にただ愛していただけなのでしょう。だからこそやるせなく、行き場のない感情に打ちのめされました。

特に、愛犬家の方は注意して下さい。私はアレ無理です、絶対無理です、思い出すだけでも鬱になりますよ……なので愛犬家の方は本当に気を付けて下さいね。