シナリオ重視の良作エ□ゲー会社ニトロプラス発、鬱ゲー・鬱アニメの脚本で有名な虚淵玄が脚本を担当した選択肢なしの読むだけのノベルゲー「鬼哭街」を今回はご紹介させて頂きます。

当サイトではいくつかニトロプラス作品、虚淵作品をご紹介させて頂いていましたが、今回も例にもれずかなりの良作となっています。

なお、この作品は元々18禁作品として出されたのですが、後に一部画像の差し替えとフルボイス化、シナリオの変更を行い全年齢版としてリメイクが出されていまして、今回ご紹介させて頂きますものはその全年齢版の「サイバーパンク武侠片『鬼哭街』」の方になります。

ただし、本当に全年齢版なのか?という疑問が出て来るくらい結構アレですので、そういうのに耐性のない方は全年齢版だからと言って油断はしないようにして下さいね。

我はこの一刀に賭ける修羅

タイトルにもある通り、この作品は復讐をテーマにしています。舞台は近未来の上海で、肉体をサイボーグ化する事で超人的な力を得た人々が町を牛耳っていて、主人公は生身でそのサイボーグ人間を倒せる武術を体得しています。

愛らしい妹と、信頼出来る兄弟子(主人公の妹の旦那様)と共に過ごす幸せな日々。それがある日突然、親友と仲間達の裏切りによって崩れ落ちてしまいました。

瀕死の重傷を負い、妹は仲間達に凌辱され殺され、その魂を5つに分割されて絶望に叩き付けられた男は復讐の鬼となり、自身の命と引き換えに妹を殺し分割した魂を所有している元仲間達に復讐をしに行きます。

魂の分割?と思われるでしょうが、この世界では禁断の術として生きた人間から魂を取り出し、サイボーグにそのデータを移す、というものが存在していまして、主人公は復讐を果たすと同時にバラバラになった妹を取り戻そうと、分割された魂を入れる器としてのサイボーグを連れ歩いています。

仇の所にも1人1体ずつ妹の魂が入ったサイボーグがいるので、殺しつつ回収する、と言った流れですね、それぞれのサイボーグは5分割された意識ですので、それぞれきちんとした元の自覚がありませんが、声優さんはすべて同じです。

圧倒されるアクションシーン

この作品のシナリオの次の目玉は、躍動感のあるアクションシーンです。薄暗いシーンが続きますが、仇とのバトル時には必ずプレイヤーを圧巻するような熱いアクションシーンに入ります。

かなり丁寧で分かりやすい書き方になっていますので、ノベル系のアクションシーンに慣れていない人でもすんなり入っていけると思います。

ただ力強いだけのアクションではなく、戦略などを振り込み、本編との関わりもありますので、こちらもとても楽しめると思いますよ、何より脚本の虚淵さんはアクション系もかなり好みらしく「脊髄の赴くままに書いてしまった」と言っているくらいですから。

また、とあるアクションシーンではすごいものを見る事が出来ます。以前ご紹介させて頂いた「装甲悪鬼村正」で今までのニトロプラス作品の一部CGが流れる所があったのですが、その時一瞬流れたのがこちらのアクションシーンで見られるものでして、正直それ目当てというのがこれをやる理由の1つだったのです(笑)

意識を取り戻していく妹

仇を倒しながら妹の意識は少しずつ昔を、元の妹を取り戻していくのですが、3体目くらいだったかな、少しずつおかしいな、と思うようになりました。

元親友で妹の旦那が主人公に隠れて妹(のサイボーグ)に会いに来たのですが、いくら記憶が中途半端とはいえ、彼に対して全く怯えていなかったのです。

それどころか、主人公が元親友の事を妹に聞いた時、「あの人は可哀相な人」と言っていました。元親友は主人公を裏切り瀕死の重傷を負わせた上に、彼女を仲間と共に凌辱して意識を分割した張本人であり黒幕のはず……「可哀相な人」とはどういう事なのでしょう。

この辺りで勘のいいプレイヤーは気付くのかもしれませんし、私のような鈍い人や中途半端に勘の良い人は勘違いしてしまうのかもしれませんね、私は答えを出されるまで分かりませんでした。

復讐の果てに辿り着く場所

そしてとうとう元親友との最後の戦いになりますが、彼強いですね、さすがラスボス。まぁそれはさておき、主人公と元親友が戦っている脇で二人の妹が対峙しています。

ここにきて漸く明かされる真実。全てを知った時の主人公の絶望っぷりはすごいですね、プレイヤーもここで驚く人が多いのではないでしょうか?

本当にまさかの……という展開で驚いたのを覚えています。自身の命も顧みず必死に戦って戦って辿り着いたのがこの真実だったとは、言葉がありません。

中途半端な意識の妹が元親友の事を「可哀相な人」と言っていましたが、どちらかと言えば3人全員可哀相だと思いますよ、他に救いの道はなかったのでしょうね、きっと。

ラストと妹の事に関しては意見が割れているようですが、私は好きですね、彼女可愛いと思いますし、こういうエンディングもありでしょう、後味がいいとは決して言えませんけどね。

まぁ、相変わらずの安心信頼の虚淵ダークネス発動、とだけ言っておきましょうか。このエンディングと、彼らが選んだ道をどう思うのかは、あなた次第です。

プレイ時間はそこまで長くありませんので、ぜひプレイしてご自身の目で確認してみて下さい。最後に明かされる隠された真実とは一体何だったのか、という事も含めて。