鬱ゲーや鬱アニメを語る上で欠かせないのが、エ□ゲー会社「ニトロプラス」で脚本などを担当している虚淵玄さんの創り出す容赦のない悲惨、残酷、救いのない通称「虚淵ダークネス」です。

彼が描く作品には大抵目を覆うほどの悲しく遣り切れないシーンがあるのですが、それだけではなく、生きていく事の難しさや、生きていく上でぶつかる大きな壁をいかに乗り越えるかを考えさせられる場合もあります(乗り越えられない場合もありますが)

いつの間にか抜け出せなくなっている虚淵ワールド

まず、彼の代表作ですが、アニメは「魔法少女まどか☆マギカ」「サイコパス」、ゲームは「phantom」(ニトロプラスでのデビュー作)「鬼哭街」「沙耶の唄」「続・殺戮のジャンゴ」、小説も執筆しており、アニメ化もされた人気ゲーム「Fate/stay night」のスピンオフ作品「Fate/Zero」も彼が書いています。

どれもシナリオの質がかなり高く、伏線の回収をきっちりこなしてくれて、エンディングに近づくにつれ徐々に謎に包まれていたストーリーの全容が明かされていき、すべてのピースが当てはまった時の爽快感と驚愕感は半端ないです。

彼の生み出す独特の世界観に最初は置いてけぼりを食らいよく分からないまま進むかもしれませんが、いつの間にかその世界にどっぷりとハマってしまっている事でしょう。

後味の良さは求めないで下さい

ネタバレにならない程度にお話しますと、彼の作品のほとんどはバッドエンドです。見方によってはハッピーエンドかもしれませんが、後味スッキリー!というものはほぼありません。

とある作品では、山あり谷ありダークネスありの困難を乗り越えた先に「あれ、珍しくハッピーエンドで終わるんだ」と思って安心(?)していた次の瞬間、やられました……やっぱり安定の虚淵ダークネスが最後の最後で大披露され、ぽかーんとなって終わってしまったのです。

どの作品なのかはここでは言いませんが、同じような感想を抱いた方、唖然となってしまった方は結構いらっしゃるようですね。だが、それがいいのです、彼に求めているのはそれでしたし(笑)

ダークネスと並ぶ特徴、迫力のあるアクションシーン

また、彼の作品でダークネスと同じくらい特徴的なのは、力強く、迫力があって、細部にまでこだわったアクション要素です。

何度も移植を繰り返した「鬼哭街」ではその特徴がかなり見受けられますね。全体の2/3くらいはプレイヤーを燃え上げさせるスピード感のある、けれど戦略もきちんと練られているアクションシーンになっています。

アクション要素が苦手、という方でも割と分かりやすく描かれていると思います。私自身、アニメや映画ならともかく文章だけのアクション表現は苦手なのですが、これは結構受け入れやすかったです。

作品によってまったく違う世界観

虚淵作品では、それぞれまったく違う分野を取り扱っているというのも特徴かもしれません。ダークネス(鬱になる暗く悲惨、報いがない)とアクションは共通していると思いますが、世界観がどれも全然違います。

魔法少女物の「魔法少女まど☆マギ」、犯罪者物の近未来FS「サイコパス」、復讐物の「鬼哭街」、全体的に狂気に包まれた「沙耶の唄」などなど、各作品ごとにもっと詳しく調べて貰えれば分かりますが、鬱ゲー・鬱アニメというジャンル以外は見事にバラバラなのです。