これは鬱映画に入るのかどうか意見が割れているようですね。「後味を悪くするように作られた後味の悪さ」という意見も出ていますし、確かに言える事は本当に後味悪い、という事です。

ホラー映画にはツッコミどころがよく見られます。「単独行動するな」とか「わざわざ逃げ場のない所に逃げるな」とかツッコミ要素がないホラー映画はなかなかないでしょう。

この作品に言えるのは「焦りすぎ」でしょうか。もっと慎重に考えて動いていればあんな結末にはならなかったのでしょうけど、急がば回れという言葉はこの映画のためにあるのだと思います。

深い霧に包まれた町

物語の始まりは、嵐が過ぎ去った翌朝です。主人公は妻子持ちで、奥さんを自宅に残すと8歳の息子と共にスーパーマーケットに買い物に行くのですが、そこは嵐の後でお客さんがごったがいしています。

そんな時、店の外ではパトカーや救急車が走り回りサイレンが鳴り響いてきまして、鼻血を流した男が「霧の中に何かいる!」と叫び店の中に逃げ込んできました。

店の外は深い霧に包まれて視界は真っ白で何も見えません。マーケットにいた人々は店内に閉じこもる事になり、外の様子を見ようとした主人公と数名は裏口のシャッターを開けるのですが、白い霧の中から何かが出てきて仲間の内の1人を連れ去ってしまいました。

外に何かが居る、と店の人達に主人公は話すのですが、信じてくれない人々が外に出て行ってしまい、主人公はどこまで行けるのかと1人の男にロープを括り付けるのですが、それは彼らが霧に包まれてすぐに引っ張られ、慌てて手繰り寄せると男の下半身だけが……。

押し寄せてくるバケモノと狂信者

夜になると巨大な虫のようなものがマーケットに突っ込んでくるようになりました。何とか撃退するものの、その混乱の後にこの事態は「アルマゲドン」であると主張する狂った女性に従うカルト信者達が増えるようになり、店の中は一発触発の緊張空間。

彼女の考えに賛同しない数少ない仲間達と共に息子を守ろうとする主人公は、薬品などを探しに店の外に出たりするのですが、なかなかうまくいきません。

そして狂信者達が恐ろしくなった主人公とその仲間は、食料品を集め店から脱出しようとします。しかしそこを狂信者に見つかって大騒動になり、もはや彼らの教祖にでもなったような女性は主人公の息子を生贄に出せ、そうすれば皆助かるなどと言い出して、それに煽られた信者達が襲ってきます。

未曾有の危機に陥ってしまった人々は怖いですね。教祖という縋るものを見つけた人々はそれに付き従い、それに反対するものは必死でそれに抗い、外にはバケモノがいるというのに人間同士で争ってどうするんだ……という感じで教祖様を射殺して、主人公達は縋るものを失くして呆然とする人々を尻目に脱出しました。

深い霧の中を突き進め

という訳で無事脱出出来たのは主人公の息子を含めて5人です。店の外には人気が全くなく、視聴者がすっかり忘れていた自宅に残してきた妻はすでに息を引き取っていました。

ひたすら車を走らせても生存者には会う事が出来ず、それどころか物凄く巨大なバケモノが徘徊している様子を見つけてしまい、彼らの絶望度はグングン上がっていきます。

車を走らせるのにはガソリンというものが必要ですよね、この世界でも同じです。車を動かせばガソリンは減っていきます、1台の車に子供1人、大人4人が乗っているのですから、たぶんガソリンの減りも早い事でしょう。

そしてとうとうガソリンが切れて車を走らせる事も出来なくなり、深い霧の中で立ち往生になってしまった時、衝撃の結末へ続く瞬間が訪れます。

焦りすぎ、もっと慎重に考えましょう

この映画の全編に置いて言えるのは、それだけです。恐ろしい事が起きたから「アルマゲドンが起きて生贄を捧げなければならない」と人々を煽った教祖様(仮)もそうですし、縋るものを求めて深く考えずそれに付き従った人もそうですが、何より主人公が焦りすぎです。

彼は何をするのでも速攻で決めて速攻で行動に移してしまいます。あんな状況なので冷静に考えるのは難しいとは思いますが、焦りすぎです。

彼が深く考えずに思ったまますぐに行動に移してしまったせいで犠牲になった人々は何人いる事でしょうか……彼への「決めるの早すぎるよ!」というツッコミ回数は結構ありましたよ、きっとあなたも言いたくなると思います、特に最後の決断は。

急がば回れ、という言葉がありますね。その言葉の意味をこの映画で深く考える事が出来ました、きっとこの映画は最悪の後味を作るのと、急がば回れという言葉の意味を教えてくれるために作られたのだと思いたいです。

早く決めすぎた決断のせいで訪れる最悪の結末は、ぜひあなた自身の目で見て下さい。安易にネタバレサイトやwikiを見ないように、衝撃が半減されてしまうので、そういうのは見終わってからゆっくり堪能しにいきましょうね。