作品ごとに鬱ゲーをご紹介させて頂いてきましたが、今度はそれぞれの主人公にスポットライトを当てて、いつもとは違う視点から考えてみましょう。

なお、主人公を紹介する上でどうしてもゲーム本編の核心に触れてしまう場合がありますので、通常よりはネタバレが多く含まれますので、ご了承下さい。

浮気者、真面目、根暗、ヲタク、覚悟を貫いたもの

物語の重要なカギとなっている主人公の性格はかなりバラつきます。舞台設定が違うからかもしれませんが、「本当にこれが主人公?」と思えるようなよく分からない性格が主人公になっている場合もあります。

ゲームをやるには、イラスト・シナリオ・システム・ヒロインと同等に重要視される主人公のキャラクター設定が大事なのですが、なかにはプレイヤーをイライラさせられる主人公も居るのは何故でしょうか。

まぁとりあえずいくつかの作品から主人公をご紹介させて頂きますので、それぞれの主人公が物語にどういった影響を与えているのかも合わせてご覧下さい。

歪んだ世界で純愛を見出した「沙耶の唄」匂坂郁紀

交通事故の後遺症で肉塊の街、不気味なバケモノの人間、ノイズだらけで聞き取れない声に埋められた歪んだ世界で、普通の可愛らしい少女に出会い、精神が擦り減っていた彼はたった1つの幸せで心を保っていました。

しかし、彼の目では人間がバケモノに見えるという事は、愛らしい少女に見える沙耶は当然人間ではなく、(明確は姿は表現されませんでしたが)むしろ彼が人間を見た時に見えたバケモノの姿に近いのです。

彼も段々とその事実に気付いていきますが、それでも彼は沙耶を選びました。実際はとんでもないバケモノかもしれない沙耶を愛する事を選んだのです。

歪んだ世界のままでいい、沙耶と共に食べるものが何だっていい、沙耶と共に居られればそれが幸せなのだと、歪んだ世界の中で彼は純愛を見つけ出す事が出来たのです。

ですが、沙耶は人外。そして目的があってこの世界に来たのですから、別れの時は訪れます。最後に美しい羽根を広げて消えていく沙耶を見守る彼の心情は、切なくあたたかく美しいものだと思いました。

ヲタクの中のヲタク?「カオスヘッドノア」西條拓己

常に様々な妄想をしていて、人と喋る時は視線は落ち着かずひたすらどもり会話にならず、好きなアニメのキャラクターの話(主にフィギュア)になるとどもりながら圧巻するマシンガントークを繰り広げる彼。

バトルものの主人公にしてはかなり気が弱い方で、何かあるとすぐにヒロイン達を頼り(「○○に何とかして貰おう」「怖いけど○○なら助けてくれる!」みたいなセリフばかり)、某浮気男とは違う意味でプレイヤーをイライラさせます。

彼はとにかくネガティブで腰が引けていて、怖いだの信用出来ないだのと言いながら女の子を頼りにして人任せにしてしまうのに、たまにすごい積極的に行動に出た!と思った次の瞬間にはやっぱり駄目だ……とあっさり諦めてしまいます。

まぁ、そんな彼でもトゥルーエンドに向かうルートではかっこよくなります。やっと決意が出来て覚悟を決めてたった一人で物凄い強い敵に立ち向かうのです。

散々イライラさせられたプレイヤーとしては、やっとか!という謎の達成感と、それまでの態度からの大きなギャップでとてつもなく格好良く見えてしまうのです。

何か彼に対して感想を付け加えるのでしたら、声優さんの本気は凄い、ですかね。あのどもり方とかマシンガントークとか声だけでヲタク感がたっぷり出ているので、声優さんって本当にすごいんだな、と再確認されました。

誠実で真面目で優柔不断「WHITEALBUM2」北原春希

三角関係もので浮気ものだけれど、彼はとても真面目で誠実です。調子に乗っている訳でもなく、チャラついている訳でもなく、誰にでも真剣で優しくて気遣いが出来る人です。

だからこそああなってしまったというべきか。そもそも彼は誰が本当に好きだったのでしょうね?自分を頼って来るから、自分を支えてくれるから、自分が守ってあげなくちゃいけないから、自分くらいしか相手が出来る人はいないから……そんな理由で女の子を選んでいるような気がします。

元々は冬馬が好きだったのに、雪菜に大胆な行動に出られて「こんなにも俺を必要としてくれている、可愛いし、付き合おうかな」みたいな流れに乗っただけで雪菜と付き合った感じがしたのですが。

だから冬馬への未練が断ち切れずに三角関係&浮気、ではなく二股開始になってしまったのでしょうね。そしてそのままズルズルと冬馬への未練が残ったまま、雪菜とも上手くいかず、出会った女の子達と関係を持ってしまう。

真面目で誠実であろうと頑張っているのは分かりますが、ある意味では某浮気男以上に女の敵かもしれませんね。優柔不断で誰にでも優しくて、付き合う理由も「俺が居てあげないと」とか「俺を支えてくれる唯一の人」など、自分本位すぎます。

誠実な男を目指しているからこそそんな中途半端な事になってしまったのでしょうけど、誰にでも誠実に、だなんて無理です。本当に大切な人、本当に大切にしたい人に誠実であって下さい。

エ□ゲー史上最低人気「SchoolDays」伊藤誠

お待たせしました。男女ともプレイヤー達からフルボッコされ、あまりの不人気度は今でも伝説になっているスクールデイズの主人公、調子に乗りまくった浮気男、伊藤誠くんです。

アニメでもゲームでも、スクールデイズ関連の動画へのコメントや、関連記事では「誠死ね」の大合唱からの「誠死んだww」の大爆笑で盛り上がるくらいにネタにされている彼ですが、本当にその通りです。

彼に関しては結構言葉が悪くなってしまうと思いますので、これ以降の文章には十分にお気を付けて下さいね。

チェリーボーイである彼は、毎日通学電車で見かける巨乳の美少女に一目惚れ。仲の良い友達に協力して貰ってお付き合いが出来る事になり、初めての彼女ゲット(しかも巨乳の美少女)でテンション急上昇してしまってます。

しかし、彼女は巨乳がコンプレックスで男性恐怖症だから(というか普通は付き合って速攻ヤるとか嫌がる女性のが多いと思いますけど)ヤろうとしたら拒否られてしまいます。

そんな時に女友達が「誠は慣れていないのよ。だから私の体を使って練習して?」というヤりたい盛りの男子高校生としては都合の良すぎる誘惑に、当然彼はホイホイ乗ってしまいます。

そこからが彼の真骨頂です。その女友達だけならまだマシかもしれませんが、調子に乗った彼は中学時代の同級生である男勝りな女の子(ずっと誠に片思いしてた)にも手を出し、女友達を大事に思ってるその子の友達にも手を出し、アニメ版では携帯の中には女の子の連絡先でびっしり。

100人切りくらいしていたのかもしれませんね。手を出しまくるだけならまだマシだったのかもしれませんが(無理か)、手を出しては捨てて、それが誰かに拾われようものならやっぱりそっちが好きだと、選んでいたはずだった方を捨てて、捨てた方を奪い取りに行く……何がしたいのでしょう、この男。

この浮気男にいいように弄ばれて捨てられて拾われてと、可哀相すぎるヤンデレ界のアイドル言葉様を全力で幸せに出来るように頑張りつつ、誠フルボッコ精神を忘れないようにしましょう。

仮に彼を擁護するとすれば、チェリー君で初めての彼女で緊張&舞い上がっていたのでしょう。ヤりたい盛りでしょうし、初めてのモテ期到来でテンションが上がりすぎてあのニヤケ顔になってしまったのですし、皆さんもしモテ期が来ても気を付けましょうね、それは終わります。